高齢者の悩み。お肌カサカサ皮膚のかゆみについて

2019年1月24日

 

高齢者の皮膚のかゆみについて、老人性乾皮症、皮脂欠乏症、老人性皮膚瘙痒症などは同じような病態といわれています。性ホルモンが皮脂の分泌を亢進させる作用があり、二次性徴が出る前の子供や50歳過ぎた高齢者は皮脂の分泌が少なくなり、皮膚が乾燥しやすくなるとのことです。一般的に、老人性皮膚瘙痒症とは、全身皮膚瘙痒があり、発疹はなく皮膚が白っぽく粉がまうような状態です。乾燥した皮膚で冬に悪化して夜間瘙痒が増強、男性の方が、女性より多い病気の一つで、背中や両下肢に瘙痒が強く来ることがおおいなどの特徴があります。

高齢者の皮膚が痒くなる原因

高齢者の皮膚が痒くなる原因の一つとして、主に性ホルモンの減少による皮脂腺の分泌低下によるものだと言われています。皮脂腺は皮膚表面に油の膜を作って、外部からの有害な化学物質が体内へ侵入することを防いでいます。それが不足することで皮膚の一番上層にある表皮が乾燥してしまいます。ガサガサになったり、ひび割れができて、表皮下の真皮へ有害刺激物質が入り込みやすくなってしまい、そのために皮膚が痒くなると言われています。かゆみがあるので、引っ掻いていると発疹がでてくるようになり、皮脂欠乏性湿疹や貨幣状湿疹と言われる湿疹になり、下腿全面にできることがおおいです。

対策と治療方法

それでは、高齢者の皮膚のかゆみに対する対策や、治療方法があるのか考えてみましょう。ここででは、参考として6つのポイントをご紹介させていだだきます。

その1 日常生活で皮膚を乾燥させないこと

冬の暖房は加湿に気をつけて、濡れたタオルを部屋に干す等で対策しましょう。電気毛布は皮膚を乾燥させてしまうため、寝る前に体に保湿剤や保湿クリームを塗ることで、乾燥の予防になります。暖房を使うことで脱水にになりやすので、夜間トイレへ起きたときなどは、お湯を1杯飲むとよいでしょう。

その2 皮膚を刺激しない下着

下着は木綿100%のものにしましょう。羊毛や化学繊維は皮膚を刺激するので、下着としては適していません。下着を洗濯する場合も合成洗剤ではなく粉せっけんで洗濯することが望ましいです。合成洗剤は皮膚を刺激して、かゆみを引き起こしてしまいます。よく濯いだつもりでも肌着に洗剤が付着している可能性もあるので、粉せっけんが望ましいです。

その3 洗剤について

食器や衣類用の合成洗剤の主成分である「界面活性剤」は、石油から作られています。それ以外に多くの添加物が混ぜられています。脱脂作用が強く、主婦湿疹といわれる手や指のひび割れ、肌荒れをおこす原因で、皮膚の健康にいかに良くないかがわかります。

石鹸と合成洗剤の違い

ここで、石鹸と合成洗剤の違いを説明します。石鹸は合成洗剤と違い、天然の界面活性剤とも考えられ、脂肪酸ナトリウムと同義語です、脂肪や油と水酸化ナトリウム(カセイソーダ)を混ぜることで化学反応をおこさせ、グリセリンと脂肪酸ナトリウムに変化してできるものです。

これに対して、合成界面活性剤は、複雑な構造で、ベンゼン環などが連結されていることが多く、環境ホルモン(外因性内分泌かくらん化学物質)の疑いが多くかけられているものが含まれています。環境ホルモンの多くは、催奇形性、発がん性を同時に持っているものがおおいです。食器や衣類の洗剤と人間の肌や髪に使う合成洗剤と一緒にしないでほしいと言われるかもしれませんが、基本的には石油から作った洗剤で、自然界では分解されにくく、細胞毒性が強いことは合成洗剤の共通点です。

その4 入浴について

日本人は温泉好きで、美人の湯と昔から言われている温泉の泉質は、すべて弱アルカリ単純泉です。弱アルカリと言うのは、水素イオン濃度がpH7.5から8.5です。健康な人の血液のpHは7.35から7.45に保たれています。単純泉とは、1ℓの温泉水を煮詰めて、残った固形成分が1g未満の濃度が薄い温泉です。お湯は、無味無色透明に近く、微温である場合がおおいです。皮膚搔痒症の人には熱いお湯はよくありません。ですが、毎日温泉に入るわけにもいきません。水道水には塩素消毒の強い薬剤がはいっていますが、重曹(炭酸水素ナトリウム)を少し(10ℓに1gほど)入れることで、弱アルカリ性になります。塩素による肌荒れをおこしてしまうこともあるので、弱アルカリ性を心掛けて入浴するといいでしょう。

その5 引っ掻かない

痒いといって、引っ掻くのは一番いけません。老人性皮膚搔痒症には背中に引っ掻き傷がいっぱいあるのが特徴です。引っ掻いていると、乾皮性湿疹や皮脂欠乏性湿疹など、皮膚科を受診しなければならないほどの重症の皮膚症になってしまいます。爪を短く切ることで万が一掻いてしまっても出血や二次感染を防ぐように心がけましょう。

その6 保湿剤について

ドライスキンの人は、入浴後に保湿剤を塗って皮膚が乾燥しないように注意しましょう。発疹のない場合は、尿素入り軟膏が副作用がなくて一番良いです。ですが、ワセリンやグリセリン、オリーブ油でもいいと思います。発疹ができて、慢性化した場合は、ステロイド軟膏や抗生物質軟膏を処方されることもあります。かゆみ止め内服薬は抗ヒスタミン剤が有効とされていますが、眠気が強く出る副作用があるので、就寝前に内服するといいでしょう。

 

2019年1月24日

Posted by neko